合唱コンクールの伴奏指導が好きです。 生徒さんが「弾けるようになりたい」と強い気持ちを持って練習に励んでいます。 そんな時は、いつも以上の力を発揮します。 レッスンで取り組んでいる曲より難しいレベルだとしても挑戦しますし、 音が多く新しいテクニックが必要な曲でも諦めないんですよね。 私は合唱の伴奏でピアノの勉強をしてきた所もあるので、 その気持ちわかります。 頑張っている生徒さんには、より一層力を貸したいと思うのです。 大人数の伴奏で大切なのは、バランスではないでしょうか。 合唱の人数によって音の大きさは変わってきます。 弱過ぎる音では歌に負けてしまいますよね。 どの位の音量で弾くのか。 練習だけでなく、本番の響きを聴いて対応する能力も必要でしょう。 生徒さんが練習していた曲は、大地讃頌。 前奏では曲の雰囲気を作り、 間奏では場面の変化を誘導する役割を担っています。 どんな表現をしたいのか、どのように歌って欲しいのかは 前奏で決まると言っても過言ではありません。 男性パートから女性パートへ声部が増えていく場面では、 ピアノも同じ音量では支えきれません。 重なり合っていく歌を聴きながら、厚みを増やしていきたいです。 クライマックスの伴奏は、右手の和音が増えて左手はトレモロになりますが、 計画的に強弱を考えなければ後々苦しくなります。 生徒さんにとっての効果的なクレッシェンドを、ふたりで考えました。 お祭りの誘いを断ってピアノを練習している生徒さんの演奏を聴いて、 この夏の努力が大人になってから、素晴らしい経験になるだろうなと感じました。 合唱コンクールの伴奏に選ばれるまでには、オーディションがあり、 選ばれてもその中でひとりだけ伴奏賞が決められます。 「どうしても演奏したい」という強い気持ちの練習は、 それだけでも充分価値があるでしょう。 |